ミノガのオスとメスの区別
2001年12月21日 徳島市にて大原賢二氏撮影
|
|
左の写真)チャミノが枝を使ってミノを作成している様子
枝に対して約45度で付いているということがいえると思います.
また,枝との付着部分が太いですね.
右の写真)左がオオミノガオス
右がオオミノガメス
|
|
これは同じウメに付いている状況なのですが,左の写真がチャミノガで,
角度と小枝がたくさんあることがわかると思います.
右の二つ写っているのはオオミノガなのですが,今年のものではありません.左の少し小型の方が♂で,
下の方に茶色の蛹の殻が見えているのですがわかりますか?これはちゃんと寄生されずに♂が出た証拠です.
♂はこのように下の口に蛹の殻を残しますのですぐにわかります.
右の少し太めなのが♀のミノですが,これもすでに昨年のものか,あるいはそれ以前かもしれません
(たぶん去年のものとは思いますが).春先には雌雄ともミノの中で頭を下にして落ち着き,そこで蛹化します.
その後♂は羽化したときに殻ごと少し出てきてミノにぶら下がり,乾いたら飛び回ります.
メスはそのまま蛹の殻の中で成虫になるだけで,形も幼虫のままみたいなものです.
メスがフェロモンを出して♂を呼び,♂はメスのミノに止まって腹部をものすごく長く伸ばし,
メスの身体と蛹の殻との隙間に腹部を入れて交尾します.つまりはメスは蛹の殻の中にいながら交尾をし,
その後産卵をミノの中といっても実際には蛹の殻の中にしていきます.蛹の殻の中に卵を産むと,
メスの身体は胸部と頭部だけのようになり,小さくなって下の方に落ちるか.ミノの蓋のようになります.
卵から孵化した幼虫は,ミノの下の方の穴から糸を吐いて出ていくのですが,それはまあすごいものです.
ですからたとえばウメの木などでも,結構高いところにミノが付いていることが多く,
ウメは冬に剪定されますので,結構これでやられてしまいます.枝を切られて地面におかれると
ミノがまっすぐに下を向かないことがほとんどで,たとえそのような場所で成虫になっても
うまく交尾もできなかったり,産卵しても幼虫の分散ができず,そこら中に集団ですむことになったりで,
ほとんどうまくいきませんね.
ウメも結構いいのですが,オオミノガのためには少し放置されているほうがいいようです.
それとオオミノガは自然林などではまず見つからず,人の手が入る方がいいというのも確かなので,
そこらがやっかいです.とにかく徳島でも危険な状態です.県のレッドデ−タブックでは
絶滅危惧の2類にしたと思います.自分でやっていてすでに忘れました.
金井賢一 viola-kk@po.synapse.ne.jp