6月の例会の話題
こんにちは.鹿児島昆虫同好会の例会係・庶務の金井です.
6月の例会報告をお送りします.
アップするのが大夫遅れてしまいましたこと,お詫び申し上げます.
今回は金井が昨年から今年にかけて調査したカバマダラの調査について,お話ししました.
グラフやデータはまだ修士論文として発表していませんので,ここに掲載することはご勘弁願います.
話題としては
(1)カバマダラは2001年,県本土でどのような経過を送ったのか?
(2)カバマダラは県本土で越冬可能なのか?
この二点について話が集中しました.
(1)カバマダラは2001年,県本土でどのような経過を送ったのか?
2001年は山川町で初めてカバマダラを確認したのが6月中旬でした.
卵,若令(1・2令)幼虫,中老令(3・4・5)令幼虫,蛹,成虫に注目して週一回観察しましたが,
基本的傾向として徐々に増加していき,11月を境に減少していくという傾向を示しました.
福田晴夫氏からは「なぜこの春から夏に数が増えないのか?なぜ秋に大きく増加するのか?
南方からの流入と簡単に言って良いのか,非常に面白いテーマである.これには厳密な個体数調査が必要だろうか」
との意見がありました.
(2)カバマダラは県本土で越冬可能なのか?
2001年の春は非常に個体数が少なく,越冬した個体は非常に少なく,
世代を重ねることができなかったのではないかと思われた.
しかし,2002年春は様子が異なっている.3月末から未受精卵が見られ,4月末には受精卵および1齢幼虫が
山川の野外で観察された.
鹿児島市明和の福田晴夫氏の自宅庭では,3月末に蛹・4月から成虫が見られ,5月には終令幼虫が見られた.
この5月の幼虫は,4月に羽化した成虫が世代を重ねたものと考えられる.
これから見られることは,2002年は越冬世代が第一世代へと移行に成功したことである.
越冬個体の数が少ないために,第一世代には移行しないと考えられてきた今までの考えを,塗り替えるものであった.
では,一人一話です.
金井) 修士論文のデータ採集になかなか行けないのが悩みの種です.
しかし,少しずつフィールドに出ていくことを心がけています.
今年はカバマダラの終令幼虫・蛹に寄生するハエの寄生率や種類の変化を調査します.
特に奄美大島・大島北高校の先生と共同研究を計画していますので,非常に楽しみです.
福田晴夫) RDBで県内一円に出かけていますが,今日は身近の勧めです.
ニシムタなどで販売しているサカナの一夜干し装置を改造して,バタフライトラップを自宅明和に仕掛けています.
5/9 クロコムラサキ,テングチョウ(初めて).
5/27 ヒオドシチョウ(!!) 1雌大きな個体.明和の町中でも居るんですねえ!
6/1 コガタキシタバ
如何に親の食物が大切かがわかると思う.
因みにトラップには食卓に出たフルーツの残りや皮などを仕掛けている.是非みなさんも試みてください!
田中洋)5/2 長崎にて30匹マークしてきました.♂が非常に多かったです.
長崎昆虫同好会は甲虫屋さんが多いらしく,なかなかアサギマダラのマーキングが定着しにくいようです.
今の季節,南からの北上個体の季節に是非とも探してほしいものです.
ジャノメチョウのこれからの季節の記録を注意してください(以前のSATSUMA別刷り配布).
佐々木会長)鹿昆には甲虫屋が少ないかな?
現在車の運転許可が下りないために,タクシー通いの状態です.
オオスミヒゲナガカミキリの採集には,是非行ってみたいですね.
谷さん)5月より入会しました.
北九州市出身で,学生時代に蝶屋をしていました.
単身赴任で鹿児島に来て,南国の蝶に触発されて再開しました.
毎週城山に身近な蝶を採取しに行っています.
土日休みですので,採集に行かれるときには是非お誘い下さい.
早川)5/11 アオサナエを川辺岩屋観音で,ゲンジボタルを錫山で見ました.
谷山ハイパーマート脇のタイサンボク,ミカドアゲハを幼虫2匹採集しました.
ルリタテハを飼育しています.現在卵から1齢幼虫にかけての発生状況です.
中峯芳)スギタニルリシジミを大口・紫尾で採りました.紫尾は堀切峠側です「←珍しい記録!!(福田晴)」
2週間前,吉野から吉田町に向かう道の両脇にハルニレがあるところで,カラスシジミを目撃しました.
学校の選択理科でモンシロチョウにマークして,放しています.60匹マークして放しますが,
再捕獲されません.これは風は強いからでしょうか??
廣森)米満より電話をもらいました.アサギマダラマーク虫の再捕獲「5/4KNタネ」←中峯浩司氏では??
アオハダトンボ:吉松オケヨリ川 30匹前後確認しました.
ベニトンボが市内でも確認されています.
5/19 瀬尾君 城山♂採集
博物館脇の鯉を放している水路でも1♂目撃.川辺でも採れた!
ウナギ池のベニトンボは7月からですか??
山下秋厚)5/18 郡山でツバキの植え込みで作業中に毒蛾にやられました.
5/19 ヤマモモの新芽にルリシジミの幼虫が!!(→ヤクシマルリシジミ)
3/31 大阪自然史博物館にて日本直翅学会に参加してきました.
9月上旬には屋久島にて合宿があります.希望者には後日連絡します.
福田輝彦)私もチャドクガを飼育した際に,鱗粉でやられました.
犬迫にて新鮮なクロコムラサキ,テングチョウ,ベニトンボが近くの川で採集された.
犬迫はホタルが多いところある.
1♀→たくさんの卵を生んだ.水温の上昇には耐えられない.
またタイサンボクに2令が多い.(田中:うちには今蛹もいる)
【大分にて九州蛾類談話会】
飯田高原地蔵原にて25名参加.
→来年は鹿児島で! 指宿は明るくてだめである.栗野岳か?(手続き面倒)
大きなイボタガの幼虫をおみやげに持ってきました.
約一ヶ月飼育したものです.ネズミモチが食草.来年春に羽化します.
菊川)春,一人でチェンマイに行って来た.蝶の集団も見られた.
5/11 菱刈町にてアオハダトンボ確認.
5/1 大口グンバイトンボ多かった.テングチョウ4匹吸水.
アオサナエがその川で初めて観察できた.
写団アオムシ HP作りました.写真(デジカメ,スライド,何でも良いです)ご提供下さい.
池田)東市来町にて林務:間伐作業 人工林や暗い林多い(クス・タブは林床を暗くする)
畑も山地化してきた.ヤマツツジがほとんどない.
岩下)子宝島から来ています.
1週間前からリュウキュウムラサキ(bolina)増えたとの連絡がありました.
以上です.
少し間をあけてメモを整理しましたので,書きこぼしもあるかもしれませんが,ご容赦下さい.
では.
金井賢一 viola-kk@po.synapse.ne.jp