5月の例会の話題

孵化したカマキリの幼虫



 こんばんは.鹿児島昆虫同好会例会係の金井です.
今月は第2土曜日の例会でした.「一人一話」の形式で,GWの成果や最近感じることなど,
ざっくばらんに話し合いました.
 
本題に入る前に連絡事項を3つほど.
(1) 「カバマダラ」および「ツマキチョウ」の記録をまとめてサツマに発表しようという案が例会で出て,
   現在まとめているところです.SATSUMAなどにまだ発表していない小さな記録がありましたら,
   金井までお送りください.SATSUMAの次号に掲載予定です.
(2) 今年の総会は11/24(土),忘年会も24日夜に行います.
   1月の幹事会に参加された方は11/23と記録されていますが,会場となる伊敷公民館の都合で24日を予定しています.
   (予約システム上,3ヶ月前で無いと確定しません)
   市内はもちろんのこと,県外の方も是非ご予定をお合わせください.
   なお,内容的に「こんなことがしたい」「こんなのあれば」という提案があれば,大歓迎です.お教えください.
   発表者の募集は6月例会案内および次のSATSUMAの発送で行いたいと思います.どしどしご参加ください.
   (ちなみに今年は50周年です!!盛大にしたいですね.)
(3) 最近の例会は一人一話形式が多く,少しマンネリ化してきました.
   話題提供のできる方を大募集しております.是非ご連絡ください.


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では,一人一話です.(敬称略)

金井: 今年はカバマダラを中心に活動していますが,県本土ではこの春ほとんどカバマダラを見れませんでした.
   5/10に,山川町利永の墓場で2令幼虫を2匹採集できただけでした.
   春に産卵した母チョウは一体どこから来たのでしょうか.
    5/3~5に種子島に行ってきました.フウセントウワタ群落にはカバマダラの気配は皆目無し.
   スイゼンジナにアサギマダラが来ており,30頭ほどマークしました.
   採集したヒメジャノメの中に一頭だけコジャノメのような斑紋の個体が混じっていました.来週末は奄美に行きます.

福田晴夫:最近のアサギマダラの話を(地図を黒板に書いて)
   秋に関西地方でマークされた個体が太平洋側(東側)を通り南下する再捕獲は非常に多いです.春はどうなのか?
   喜界島で春に数百頭マークをされた方がいます.しかし,喜界島にはこれだけのアサギマダラが羽化するだけの
   食草がありません.一体どこから来たのか?反面GWに徳之島に行かれた方は,頑張って5~6頭しか見なかったそうです.
   食草はあるのに...(喜界島ではタイワンアサギマダラも捕獲されています).
     西側の経路はどうでしょうか?漁師の檜物さんが宇治群島に寄航した際100頭以上マークされました.
   どこから来たのか?発生したのか?
     その個体を狙って先週5月初めに串木野羽島崎および紫尾山を調査しましたが,アサギマダラは見られませんでした.
   ただ,加世田や吹上では海側から飛んできたアサギマダラを1から2頭見ています.これは飛来を意味するのか?
   本日5/12白髪岳(宮崎熊本間)で1~2頭見ています.(これは発生もありえる)
     ちなみに,台湾までと思われていたアサギマダラですがフィリピンに発生しているようです.
   フィリピンからの個体もありえるのか!!??台湾では今ごろマークしているはずです.
     
アサギマダラは非常に面白い状態に来ています.今年も(!)頑張りましょう.

アサギマダラに関する情報(大原賢二氏より)



大坪: 5/4上述のアサギマダラに振られ,久見崎のベッコウトンボもいませんでした.
    5/5阿蘇の外輪山外側にオオミドリシジミの蛹を採りに行きました.11個体採れました.
   昨日・今日白髪岳にウラキンシジミを拾いに行きました.ちょうど目の前に落ちてきたものに,
   幼虫はついていましたが,葉の中央より.自分で切ったのか疑問が生じます.多数採集しました.
     帰りに霧島でアオハタトンボ採集しました.ハグロトンボに似ていますが,時期的に早く,
   メスは翅に白い斑紋がアオハタトンボは出ます.
   またオオカワトンボも1匹採れました.ニシカワトンボの茶羽と似るが,中央に濃い部分がオオカワトンボはあります.
   ちょっとした用水路にいましたから,この周辺でも探す価値はあります.ぜひみつけましょう!! 

池田和吉: 春山で子供達と里山の観察をしています.4月は雨でしたので5/27に企画しています.
    (福田「蛍が綺麗な時期でしょうね」)蛍はいます.山手にはヒメボタルも見られます.
      最近近所でクサギにガの幼虫がついていました.(シモフリスズメかも?)

森永: 最近週に3~4日採集に行っています.
    紫尾山は現在頂上まで道が回復しています.山ビルは今年少ないかも!?
    5/10郡山でライトトラップを仕掛けました.ガが多かったです.ゲンジボタルが出ており,
   川沿いのポイントではカゲロウに襲われました.
    吹上でイエローパントラップを100個ほど仕掛けました.ハチが多く採れ,その他ハエ,アブなどの
   訪花性昆虫が採れます.モンキチョウも入りました.

木佐貫: 4/8大口にスギタニルリシジミが大多量いました.サツマシジミ,ルリシジミも混じっていましたが,
    スギタニでも裏面の斑紋が別れているものがいる.
     4/22新潟でギフチョウを採れました.
     5/2桜ヶ丘の鹿大医学部校内でミカドアゲハを見ることができた.
     金峰町で採ったカラスシジミの蛹が本日羽化しました.
     昨年から飼育していたメスグロヒョウモンの幼虫がやっと蛹化しました.

迫田:  自宅周辺をみて,自然を感じ感動しています.
    4/10千年団地の自宅にツマキチョウ1♀が来ました.
    4/12鹿児島県民の森にツマキチョウ♂♀いました.
    最近はスジグロシロチョウがモンシロチョウより多い.紫のハナダイコンで幼虫を飼育して蛹になった.
   どちらが出るか,非常に楽しみである.
    4/25自宅にクロセセリ来た.最近はツマグロヒョウモンの♀,ナガサキ,モンキチョウも来始めた.
    エンドウの葉に迷路模様があり,ハモグリバエだとわかった.ルーペで拡大すると,その中で動かない.
   外で蛹になるか中でなるか,興味津々.コナガの幼虫が広食性で大繁殖したが,アリに追いかけられて食われている.
   自然の摂理を感じる.

熊谷正弘:4/8錦江湾公園でスミナガシを見た.こんなに早いの!!?
    アオバセセリは全盛期.サツマシジミ1♂1♀.
     5月末に奄美に仕事で行きますが,足を伸ばしてリュウキュウウラナミジャノメを狙いに行きたいです.
     コムラサキ,特にクロコムラサキはどこにいますか?(狙って採れるものではないねえ).
     あと,今年はキリシマミドリの成虫を狙っています.

中峯芳郎: 春休みに吉野でツマキを探しました.
    見つけて車を止めると,後に博物館の廣森さんも同じ個体を狙っていました(笑い).
      中3の選択理科で今年はチョウの採集を通して命の大切さを学ばせたい.生徒は採集に行かせると,
    給食を忘れるほどはまってくれます.
      カラスシジミは市内の学校に生えているハルニレで採集できる.県民の森でもハルニレが1本ありました.
   (福田:カラスシジミは5月の下旬より.成虫は午前中に木花にて吸蜜.夕方はハルニレで縄張りを持つので,
    分布はこれを調べればいいか!)
     今年はミヤマクワガタやカブトムシの幼虫を飼育しており楽しみ.
     故郷種子島のウラナミジャノメを狙っています.

早川信義:家の畑にはモンシロ,ジャコウ,ジョウカイボンがたくさん来ます.
早川光明:田上小2年学校でモンシロチョウを飼育しました.羽化が始まり,最初はオスでした.みんなで楽しみにしています.
早川美保子:灯火で蛾を採集しています.シャチホコ,ヒトリガ,スズメガ多い.オオツバメを狙っているが振り逃がした.
     自宅のキンモクセイにイボタガがつきました.今年は自宅にまだミカドアゲハが来ません.
     ミカンの花にもうすぐくると思います.

飛松:3/20頃,高山ツカサキ池にてツマキチョウ目撃.
   自宅のオガタマノキにはミカドアゲハが来ており,護国神社では確認できないが城山にて5/11確認.
   メスアカミドリシジミの蛹が先日♂羽化.
   今年は迷蝶を狙いたい.(中峯:去年のボリナは7月から記録有り)

中峯敦子:4月よりジャコウアゲハを観察している.吹上浜の道路沿いで観察継続中.先週までジャコウは半分が卵,
    残りが1~3令.今週は4令が増えているだろう.成虫は少ないかな?(森永:一昨日ジャコウはたくさん見た).
    今,花のつくオオバウマノスズクサ確認.7月に花のつくアリマウマノスズクサはあるのか?確かめる予定.

中峯浩司:今年は飼育をしっかりやりたい.
     現在昨年飼育したトカラカラスの次世代を飼育中.トカラ同士のほかにトカラ×開聞のグループも
   作成中(現在200匹近く).
     錫山のコツバメは順調に蛹になりました.
     今日5/12は大口布計にてテングチョウ,ダイミョウセセリ,(ヤマ?)キマダラヒカゲ,ミヤマカラスアゲハ♂,
   カラスアゲハ♂(山頂を占有していた).ルリ・サツマ・スギタニルリシジミツマグロヒョウモン.アサギマダラは
   多くないが飛んでいた.
     キオビエダシャクは頴娃にて(蛹)越冬)5/8成虫は見ないが幼虫は非常に多い(糞の落ちる音する).
   飼育すると良く食べる.
     カラスアゲハの蛹では,横に緑のラインの入るものは越冬蛹では?室内飼育では日長が問題ありか?
  (年1化がいるか?部屋の状態か?)

加治屋:  4月より高山高校へ.高山川のシルビアシジミなど探してみたい.
     一昨日ミカドアゲハが校内を飛翔.探すとオガタマノキがあった.
     チョウに教えられています.

以上一人一話でした.

   他に「春の自衛隊の野焼きはオオウラギンの幼虫に影響ないか?」という質問が出ましたが,福田先生いわく
 「阿蘇オオルリも同じだが,野焼きの影響を調べた人はいない.背の低い草むらに産んだ個体は,火が早く過ぎて
 生き残るのでは?でもまだ燃やす実験はしていません」とのことでした.しかし,燃やす実験はちょっと躊躇しますね.

 県外の方からのご意見もお待ちしております.
 なお,前回のアルボにもありましたように会計の係りは中峯敦子女史に変更になりました.
会費の納入状態などはそちらにお尋ねください.
        中峯 敦子 hamuchu@bf.mbn.or.jp
次回の例会は6月2日(土)です.まだ内容は決まっていませんが,
何かいい案をお持ちの方は是非是非例会係の金井までご連絡ください.
        金井賢一  viola-kk@po.synapse.ne.jp

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