4月の例会の話題

飼育中のカバマダラ



 例会のテーマは「周りで見られたカバマダラについて」ということで,
鹿児島県内で見られたカバマダラについて,埋もれている情報をお持ちの方は
持ち寄ろう!と企画しました.
例会案内に同封した記録用紙を事前に送ってくださった会員の情報や,
当日例会に持参された方の情報を,2000年1月から2001年4月までの
16枚の地図の中に記入していく方法で会を進行しました.
結果についてはメールでお送りするわけにもいきませんので,
次回の例会の案内,または県外の方には実際にSATSUMAの発表としてお手元に
お届けしたいと思います.形式としては1ページの中に
(上段)1月ごとの地図:記録をプロットしてあるもの
            プロットは卵,幼虫,蛹,成虫のみ
(下段)データ一覧:地図中の記録の日時,匹数,状態などのデータ
という形で発表したいと思います.

例会の記入が終わったその場で並べてみてわかることは,4月~5月のデータが
ほとんど無いということです.
定着しているorしていないもそうですが,観察される数が少ないこと自体が
非常に特徴的であり,今年の重点観察でもあると思います.

みなさんも,春から初夏のカバマダラにはご注目ください.

5月の例会案内には,現在の記録をまとめたものを添付しました.
みなさんのお持ちのデータがありましたら,是非追加してください.

鹿昆のHPに戻る



 では,恒例の一人一話です

金井:4/5,4/7と金峰町に行ってきました.
   狙いはミヤマセセリ,薩摩半島最南端記録(?)です.戦前に竹村氏が「見た」との情報があり,
  まんざらでもありません.クヌギ林は田んぼの端などに非常に点在しています.
  ほとんどが道路端のあまり期待できないところですが,山間に入り込むと30年ほど経過した,
  かなり大木の林ができていたりします.しかし,藪コギしても付近の花を見回っても,全く気配すらありません.
  新産地探しがこんなに大変とは思いませんでした.
   4/7は今年初めてジャコウアゲハ,ナミアゲハ,コミスジ,アサギマダラなどを観察しました.

福田晴夫:オオムラサキを探しています.定の段から紫尾にかけて,目撃したとの情報で見に行きました.
   エノキのいい状態があり,期待できますが,4/1のこの季節ではゴマダラの幼虫さえ見つかりませんでした.
   しかし,10数年ぶりにスギタニルリシジミをこの地で確認しました.
     栗野から関平温泉にかけて,ここもエノキのいい状態があります.高圧線の下にはコナラ・クヌギの林も
   あります.夏に樹液を探してまわるか,夕方オスがエノキで縄張り行動を張るのを当てにすれば,見込みはあります.
     田代のオオムラサキ伝説も,まだ確認できません.
     3月末に山川にカバマダラの終令幼虫がいました.冬は乗り切っているようです.

大坪:八重山にキリシマミドリシジミの卵採集に行きました.
   アカガシは大木が多く,ヒコバエが生えにくいこととマテバシイが優占していることで非常に困難です.
  5卵採集できました.毎年行っていますが,97年に採れて以来久しぶりです.薩摩半島南限の個体群は非常に
  小さいと思われます.
   現在SATSUMAの冊子をデータ化しています.アクロバットというソフトで作成していますが,
  非常に状態のいいものが出来上がります.手間はかかりますが,,,無料ソフトのアクロバットリーダーがあれば,
  誰でも読める状態になります.いくらなら払えますか????

熊谷:ツマキチョウを城山に見に行っていますが,以前たくさんいた黎明館上にはいなくなった.
  ロシア皇太子来鹿の記念碑の近くは荒地になっており,4/4にたくさんいた.そこにはテングチョウもたくさんおり,
  1匹は産卵中であった.
   3/18に大浪の池にマンサクを見に行った.花には早すぎたが,ヒオドシチョウを久しぶりに見た.
   五ヶ別府町では4/7ツマキチョウ,ジャコウアゲハ,ツバメシジミなどを目撃.白化個体のベニシジミを
   デジカメで撮影した.
   大根の花にモンシロチョウ多し.

松比良:川辺町農林課に異動になりました.
    身近なチョウとして久しぶりにミヤマカラスアゲハの春型を取り,標本にしました.

湯田平:姶良町ではモンシロチョウ程度,ツマキチョウはまだ見られません.
   現在いろいろと勉強中です.これから楽しい春になります.

木佐貫:昨年知覧で採集したメスグロヒョウモンのメスから採卵した幼虫を育てています.
   150卵近くあり,10日前後で孵化しました.室温にしておいたものは12月以降に乾燥のため?死亡.
   冷蔵庫でタッパーで育てたものが生き残った.現在パンジーを与え2令程度.

川添兄弟:指宿でカバマダラ,ツマキチョウ,モンキチョウ目撃しました.
     輝北町でツマグロヒョウモン,ルリタテハ,ツマキチョウ採集.
     伊集院でモンキチョウ11匹,ツマグロキチョウ,ナミアゲハ,ジャコウアゲハ採集.
     外のカゴでで飼育していたカバマダラの幼虫は3/24に幼虫が全滅しました.

迫田:卵,幼虫から全体を通して観察していきたい.
  クロメンガタスズメを飼っていましたが蛹化し,?/27羽化しました.我が家ではアサガオ,オーシャンブルーを
食べていたようです.
   4/5皆与志でルリタテハ,ヤマトシジミ多数,ベニシジミ2~3頭,ツマグロヒョウモン・ツマキチョウは見られない.

田中章:2月上旬にイチイガシの樹皮にもぐりこむテントウムシやハムシを探すことで郡山町の花野神社に行った.
   大木が10本近くあり,健康の森と合わせてルーミスが狙えないか???
    鹿屋では,昨年三月末に見られたツマキチョウがまだ見られない.
    ナミアゲハを4/4に見た.タテハモドキの越冬個体を採った.
 (タテハモドキの越冬個体は非常に綺麗だが,どうやって越冬しているのか?)
    わからない.秋にマーキングした個体は,その近辺では見られなくなった.

野田:カバマダラの幼虫(1月中旬に谷山で採集.3~4令)を室内と野外で分けて飼育した.
   室内の個体は早く蛹化した.ベランダで飼育した2匹は雪にも耐えて成長したが,
   1匹は行方不明になり,もう一匹はプランターの端で蛹化.しかし,翅が見えるぐらいまで成長して死亡.

中峯敦子:昨年から飼っていたツマキチョウの蛹が,翅が赤くなったが出てこない(もうだめか?).霧吹きが必要である.
     3月上旬にスジモンフユシャクの交尾を栗野で見れて感動した.
     3/26にヤママユガの幼虫が孵化したが,花瓶の水に水没した.
    川添兄弟持参の幼虫を頂いて帰ります.
     五位野の実家のギョボクで発生しているツマベニチョウ,蛹が野外で4/7羽化しました.
   (薩摩半島最北端の自然個体!?)
     小原町の住宅地の小さな小さな家庭菜園にモンシロチョウが乱舞.校庭などよりも多く,小さな環境に
    進出する姿に感動した.

中峯浩二:昨年頴娃高校内で発生したヤシオサオオゾウムシ,頴娃町内のヤシの被害はかなり広いよう.
     頴娃高校のトウワタにいたカバマダラの終令幼虫,3/10日までいた.羽化に期待.
     開聞山麓のエノキにいたゴマダラチョウは落ち葉の中だけではなく膝上の高さから上の樹木にもじっとしている.
    冬にも動き回っているようで,一定の場所にいないが,3/17の春先の低温で半分ぐらいの個体が死んで
    ぶら下がっており,3/29に全部いなくなった(神園さんが採っていったらしいが,だいぶ死んだとのこと).
    4/7まだ幼虫は上がっていない.
     開聞山麓に植えたスイゼンジナにアサギマダラが来始めた.4/3二匹,4/7二匹
    金峰町の錫山でアセビの多いところを発見.3/30コツバメ1♂1♀採集.
    4/4に別な場所で1♀.採卵するとアセビにたくさん産んだ.
(薩摩半島南限新記録!!)
     ツマキチョウ開聞山麓公園の入り口に非常に多い.(食草が変な植物?)

早川信義・美保子:上西之谷にて3/26,PM1:00~4:00に採集した個体.
    ツマキチョウ11頭確認4頭採集.モンキチョウ1,ツマグロヒョウモン1♂1♀,ウラギンシジミ1♀,
    スジグロシロチョウ1♂,ベニシジミ1♂1♀,ヒメアカタテハ1♂,ルリタテハ1♂目撃,ヤマトシジミ多数,
    モンシロチョウ多数.
     夜間ブルーライトでイボタガが来始めた.

今村:家電リサイクル法の影響か,鹿屋・肝属の山林では去年まで車で生徒と行けた林道にチェーンが張ってある.
  昨年行ったところに行きづらくなった.それでも山林に破棄する者おり,非常によくない.

以上です.

5月の例会では春から初夏にかけての成果の発表会(?)にしたいと思います.みなさんもGWには頑張ってください.
鹿屋のチェーンに関してなど,県外の方もご意見をお寄せください.
アルボの編集者に回し,原稿にすることも可能です.
また,5月にはツマキチョウに関してのデータのまとめも行ってSATSUMAの原稿を完成させたいと思います.
では.

鹿昆のHPに戻る