2月の例会の話題
写真はウラキンシジミの終令幼虫と付着した寄生バエの卵
こんばんは.金井@鹿児島昆虫同好会例会係です.
新世紀になります今年も,どうぞよろしくお願いします.
さて,今月も鹿児島昆虫同好会の例会を行いました.
例会係の怠慢で,連絡の葉書が遅れてしまったせいでしょうか,10名という少し寂しい集まりでしたが,
「今年の計画」という題材で次のような話で盛り上がりました.(敬称略)
金井:今年はカバマダラの季節変動,特に寄生蜂の関係を中心にして活動してみたい.
山川町の知人の庭にトウワタの畑を作らせてもらい,そこを中心にすることと,馬毛島に注目してみたい.
2月の連休に一度馬毛島に下見に行ってみたいと思います.
それからゼフィルス,特にウラキンシジミの幼虫ひろいをしてみたいです.
森永:大学院に進学し,ドロバチの口器の比較形態をしていくつもりです.
それから県内の公園を周り,セイヨウミツバチとニホンミツバチの勢力の比較をしてみたいです.
今年の卒論で県本土の膜翅目有剣類の目録を作りましたが,記録の少ないところに関して,
あるいはまだ記録の無い地域に関してしっかりと補填をして行きたいと思います.
福田輝彦:2月の3連休に奄美大島に行ってきます.目的はリュウキュウアサギマダラの越冬を見てくることです.
最近の陽気で越冬集団が小さくなったとかいうことなので,その理由を確認してみたいです.
生態的なアプローチについては,どこから手をつけるか,少し見てきます.欲しい材料があれば採ってきますよ!!
カワゴケミズメイガはここ3年ほど採れていない.水位が上がったことで絶滅していないか,
今年は注目してみたいと思います.
大隅半島の蛾について,特に高隈山系での記録が少ないが,道路では現在どこまで上がれるのだろうか?
(猿が城はキャンプの上で,大隅少年自然の家側からは途中で,ともに道が崩れているので車で上がれない.)
春,晩秋の季節はいつも忙しくて蛾の記録が少ない.今年こそ!!
幼虫の飼育をより多く行い,記録を報告したい.特に蛹の越冬には,
今年クワガタマットが非常に良いということに気がついた.今度は期待したい.
デジカメを駆使して,より良い報告をして行きたい.
フユシャクガは今からがちょうど良いです.日没後1時間から,高千穂河原などのモミ・ツガの
生えるようなところで多く採れる.河原には許可が必要なので,私と一緒に行きましょう!!
(標本を見せて頂きました.メスはすごい!)
中峯浩司:アサギマダラのマークを昨年は1500ほどやったが,再捕獲されていない.
今年もまたマークをして行きたい.また幼虫は2月の今,南薩にはツルモウリンカに沢山いる.
ところが,例年暖かくなってくると,(蛹化する終令前に)いなくなってしまうことが多い.
例年どこに行くのか,いつから発生しているのか,今年は見たいと思う.
夏はやはり迷蝶にかぎる!今年もガンバって行きたいと思う.
南薩の普通種もあまり記録がないようなので,しっかり記録したい.
ゴマダラチョウの越冬幼虫が枯れ葉の裏や幹にいるのを初めて見た.
どうやら寒くても少しずつ動いているようだ.追跡してみたいと思う.
中峯敦子:やれる時にやれることを沢山やってみたい.
とくにバタフライフォーラムで加藤先生が「鹿児島のジャコウアゲハの化性がもう少しはっきりならないだろうか」
とおっしゃっていたので,野外での消長に注目してみたい.
秋葉:ゼフの卵採集を今やっていますが,キリシマミドリシジミは昨年の3分の1位いしか卵がついていない.
昨年あった日の当たらない暗いところでも,今年は少ない.キリシマミドリシジミ以外の卵も探してみたい.
清水:今はゼフの卵を採集しています.今年の目標はオオミドリシジミ,フジミドリシジミ,アイノミドリシジミです.
6月ぐらいからはゼフの成虫を追い掛けて,夏からは毎週開聞山麓に迷蝶を求めて行きたいと思います.
中峯芳郎:ウラナミジャノメが種子島の13番で採れたとのこと,確かめたい.
サツマの内容をコンピュータに登録してみました(ソフトは「五郎」).
地域ごと,種別ごと,いくらでも編集可能です.まだ途中なのですが,みんなでやりませんか??
50周年記念で何かできればと思います.
若松:ハヤシミドリシジミの幼虫にも木をつたって降りてくるという記録があった.
幼虫が木をつたって上下する(トリバネアゲハは毎日)も,観察すると面白い.
昨年シータテハが隼人の空港に登る道路で目撃されています.
国分や隼人も注意すると5月の連休頃にみられるかもしれません.
加世田の海浜公園内の松林には,5年ほど前までタイワンツバメシジミが沢山いた.
その時の生き残り集団が移動して近くにいるかもしれない.調べてみよう.
佐々木:エノキの大木が吉野にあると聞いた.タマムシを少し探してみたい.
その他,今後の例会や50周年について次のような意見がでました.
(1)自分では同定できない甲虫やハチなどの標本が貯まっている人もいるのではないか.
例会で「今月はトンボ」等というように中心的に同定してもらえる機会を作ってみてはどうだろうか?
(2)50周年に向けて,例えばデータベース化したサツマをCDに焼くなどして何か活動してはどうだろうか?
4月例会の後の幹事会で話し合いましょう!
さて,皆さんの意見も送って下さい.
3月の例会で話題に出したいと思います.
さあ,3月の例会はどんなテーマが良いでしょうか?
「昨年から3月にかけてのカバマダラの記録を持ち寄る」
「春の妖精:スプリングエフェメラル」などが良いかも知れません.
皆さんの御意見お待ちしています.特に県外の例会の連絡が行かない方も,
メールを通じて御意見を御寄せ下さることを願います.
金井賢一 viola-kk@po.synapse.ne.jp