3月の例会の話題
葉縁をかみ切るカバマダラ1令幼虫
こんばんは.金井@鹿児島昆虫同好会です.
3月の例会は「カバマダラの最近について」でした.
カバマダラは3年ぐらい前より鹿児島県内で多く見られるようになりました.
昨年春には「県本土において越冬した」との報告も相次ぎました.
しかし,冬の幼虫や蛹を観察してみると,簡単には越冬できるようではないようです.
1)2/13に唐湊および紫原(鹿児島市内)の墓地において葉の裏に産みつけられた卵は,
かなりの確率で寄生されている.
(テレビに接続した実体顕微鏡下で解剖したところ,丸い幼虫と思われるものが数個出て来た)
:金井,田中洋
2)年末から1~2月に蛹化,羽化した個体もいるが,満足に生存できない個体が非常におおい.
:廣森(県立博物館),林(志布志在住),田中章(農業試験場)
3)2)の反面,12/29に蛹化した蛹が3月に羽化した例もある.
時としてBy chanceでうまく越冬するかどうかの状態かもしれない.
積算温度や羽化時期,蛹化場所など,要因は多い.
4)冬季に幼虫を探す場合,いなくなったように見えても寒い日にはどこかに隠れている場合がある.
数日後暖かい日に行くとまた葉を摂食している.
5)今後は5月までの期間にいる叉はいないはっきり記録する.
特に幼虫に関しては4)にもあるように注意する.そのことで
春に採れる個体が迷蝶として鹿児島に来たのか,越冬したのかを判別する.(御協力を)
6)寄生蜂は必ず標本を!!(80%アルコールで液浸標本に)
鹿大理学部の山根先生に科までは同定してもらえます.
その他,
冬から春にかけての蝶の記録を大募集します.
30年前に田中先生がとった目撃記録があります.
地球温暖化が囁かれていますが,どれほど変化が昆虫に影響を与えるか,
記録を集積して比較してみることは,私達同好会にしかできないことです.(田中)
以上,少々説明不足なところもありますが,何かありましたら
追加説明,質問などをよろしくお願いします.
金井賢一 viola-kk@po.synapse.ne.jp